S&P500神話の終わる時 ~インデックス投資バブルの形成過程と、AI投資がもたらす株式市場のレジームチェンジ~
五月(片山晃) ·
30年前の時価総額上位から現在の顔ぶれへの変容と、利益が一部のテック企業に吸い上げられるロジックが載っていて、非常に納得感があった。 S&P493がMag7の養分になっているという指摘はシビアだけど、かつての優良株が実質的なエキストラに成り下がっている現状を考えると、インデックス投資の前提条件自体がいつの間にかすり替わっていたのかも。
1.実体経済とは別物になった米国株式市場 1990年代の米国株の時価総額上位は、エクソンモービル(石油)、AT&T(通信)、ウォルマート(小売)、ゼネラル・エレクトリック(電気機器)、メルク(製薬)、コカコーラ(食品)、シティグループ(銀行)といった銘柄で構成されていた。 2025年現在の時価総額上位は、Nvidia、マイクロソフト、アップル、アマゾン、メタ、ブロードコム、アルファベット(Google)、テスラなどで、ネットやITサービス、半導体などのテックカンパニーに大きく偏っている。 首位のNvidiaが4.3兆ドル、2位マイクロソフトと3位アップルが3兆ドル後半の時価総額を付けているのに対して、10位のJPモルガン、11位のウォルマートが0.8兆ドル、15位のビザ、18位のエクソン、19位のジョンソン・エンド・ジョンソンが0.5兆ドル前後と、オールドエコノミーな銘柄の存在感は随分小さい。 30年前の時価総額上位銘柄は、人々が暮らす街並みそのものであり、実体経済と密接に結びついた銘柄だけで占められていた。 そうした企業が成長するには店舗や工場を次々に新設する必要があり、それには多く